仕事としての年賀状
毎年、年末になると年賀状サイトで延々と頭を使っている。しかし、年賀状サイトはひとつ作って、何百、何千と使ってもらえるからまだ良いのです。たった1件の為に労力を使って消えていくのは実に資源がもったいない。ひと頃、業務用に年賀状を作る仕事が多発していた時期があります。企業や、どっかの社長、人様の年賀状を作るのは苦痛に満ちたものでした。富士山を入れろ、干支を入れろ、縁起をかつぐ。売り物の商品写真を入れる。店舗の写真を入れる。さらに長い文章を入れるだの、オーダーメードの極致でありました。いち相手先に頭を使うのは疲れます。とことんしんどいですわ。そんな年賀状もどんどん姿を消して行った。(…というより、ほぼ断っている)
それでも、残り香の如く、まだ存在している年賀状があるのでございます。めんどくさい。デザイン代いらんから、頼むから作った中から選んでくれへんか?とお願いする。選んでくれた。ちょっと前ならそれをフィルムに出して印刷するか何かしたのだが、今は事務所にあるレーザープリンタかインクジェットプリンタで刷っておいて欲しいと言われる。年賀ハガキを持ち込んできてプリントしてくれという訳だ。昨日やろうと思ったが、めんどうで結局出来なかった。今日やる予定だ。デザイン事務所がいつの間にか、一瞬でも街の印刷屋さんと化してしまう。変な話だ。
プロのこだわり
その位、恐ろしいほどにプリンタは進化した。今では、印刷会社も昔のようにオフセット印刷する所は殆どなくなっている。進化したプリンタを使ってプリントするのだ。素人が使っているものと大きな差はない。なのにどうして年賀状印刷でお金を取れるのだろうか。プリンタは一緒でも使っているソフトが違う。データが違う。さらに色や文字に関するこだわりが違う。ここらが大きな差となっている。
一応作る時には印刷される事を想定して作っている。見せ物ではなくあくまで印刷した時に一番キレイに出るように作っているのである。それでも作っていちいちプリントして確認している訳ではない。実際にプリントしてみると微妙に色合いが思った通りにいっていない事がある。プリンタの機種によっても違うだろう。事実同じ年賀状をプリントしても、事務所にあるレーザープリンタとインクジェットでは違う色を吐き出すのである。この場合はデータをいじって微妙に調整する事になる。そんなもん見る人には関係ないやろ。誰もそこまで気にせえへんで…という声が聞こえる。もっともな話である。だがこだわりとはそういう部分だ。そして、ひとつひとつはたいしたことのないこだわりの集積が、最後には大きな差となって出るのが世の習いなのである。
はっきり言うが私はプロである。普通は見落とすところにもこだわりを見せ、とことん手をいれるプロである。なのにそんなプロに対して、適当に年賀状作っといて。今日中に選んでおくから…と言われた。このプロの俺様に向かって何という口のききようだ!ええ加減にせいよ!。高校1年の私の長男からのお願いである。いかに自分の子どもといえども、プロに対するお願いの言葉としては不適切である。そこはきちんとしておかないといけないのだ。それが教育と言うものだ。私はすぐさまこう言い返した。
ほな明日作っといてやるから、好きなのを選んどき(何でやねん)
子どもに甘いのはどこの父親も一緒である。どんなプロも子どもの前では普通の父親と成り果てるのは世の習いだ。あかんな〜。俺って。チチローや、宮里藍の父やさくらパパを見習わなくては…。そして、今日も日曜日だというのに、人様の年賀状作りの為にやっぱり仕事をするのである。こんな行事、ええ加減ほんまになくならんかなあ…しかし。
Create:[2005-12-25 10:41:59] Update:[2005-12-25 10:41:59] [18]
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